インターネットラジオ生放送の実践法を基礎からわかりやすく解説!

アナウンスのトレーニング/日本語アクセントの基本

日本語アクセントの基本

 本稿では、日本語のアクセントの基本について解説する。

アクセントとは?

 一つの言葉のある決まった部分を、高くあるいは強く発音することによって、その言葉の持つ意味・内容を決めることをアクセントという。
日本語のアクセントは、主に音の高さによって表現される。
日本語には、発音が同じでアクセントの異なる同音異義語が無数に存在するため、標準的な日本語のアクセントを習得することは、言葉の意味を正確に伝えるために、避けて通れないと言っていいだろう。
 誰でも生まれたときから周りの人々の話す言葉を聞き始める。
言葉は耳で聞いて習得するため、今自分が話している言葉は、幼い頃に周りの人々が話していた言葉の影響を大きく受けている。
日本語には多くの方言が有る。同じ意味の言葉であっても、発音はもちろんのこと、アクセントも様々だ。
一般に、発音の違いについては、比較的容易に直すことができるが、アクセントについてはそうで無い場合が多いと言われる。
人が声を出す場合、音の大きさを変化させるより、高さを変化させる方が難しく、関西圏で話される言葉と、関東圏で話される言葉では、喉の筋肉の使い方に違いがあると聞いたことがある。また、「無アクセント」と呼ばれる、アクセントの決まりを持たない方言を話す地域も有り、これらの地域で言葉を習得した人々は、アクセントの違いによる表現をする習慣が無いことも、正しいアクセントの習得を困難にしている要員の一つと言えるだろう。
 しかし、テレビやラジオのアナウンサーの話す言葉を注意深く聞き、自分の話す言葉の違いを一つ一つ見つけて、時間をかけて学習することで、必ず道は開けるはずだ。ちなみに、NHK杯全国高校放送コンテストの上位入賞者には、「無アクセント」の方言を話す地域の人々が多い。筆者の育った栃木県も無アクセントの方言を話す地域で有り、それを踏まえた経験からの推論ではあるが、これらの地域の人々は、学習に当たって、自分の話している言葉のアクセントが、標準的な日本語アクセントと大きく違うことを認識しやすく、ことさらアクセントに注意しながら練習を進めるためではないかと考える。

アクセントによる意味の違いの例

 以下の文章は、正しいアクセントで音読することで、正確に意味が伝わる。
一つ一つ、音読して試していただきたい。
【例:”はし”のアクセントによる意味の違い】

  • 橋の端
  • 端の端
  • 箸の端

日本語アクセントの「四つの型」

 日本語のアクセントには、大きく分けて、以下の四つの型がある。

平板型

 初めの音は普通に出し、その後は少し高く、聞いた感じは平らに発音する。
「さくら」、「子ども」、「なくなる」などがこれに当たる。
アクセントを付ける部分を括弧書きで示すと、「さ(くら)」、「こ(ども)」、「な(くなる)」となる。
本来の書き表し方は、縦書きの場合、高く発音する音の右側に縦棒、横書きの場合は上側に横棒を書く。

頭高型

 第一音を高く発音する。
「海」、「赤」、「野原」などが有る。
「(う)み」、「(あ)か」、「(の)はら」となる。

中高型

 真ん中の音を高く発音する。
「心」、「痛い」、「異なる」などが有る。
「こ(こ)ろ」、「い(た)い」、「こ(とな)る」のようにアクセントが付く。

小高型

 語尾を高く発音するが、平板型とは違い、一つの言葉全体までは高くならない。
「犬」、「頭」、「妹」などが有り、アクセントを括弧書きで示すと、
「い(ぬ)」、「あた(ま)」、「いもう(と)」となる。
平板型と区別するためには、後ろに助詞の「が」を付けて、「犬が来た」や、「頭が痛い」などと発音して確認する。
例えば、「頭が痛い」の場合は、「あたま」の”ま”が高く、その後の”が”を低く発音する。これが小高型である。対して平板型は、「子どもが来た」を例にすると、「こどもが」の”どもが”の音を高く発音し、助詞の”が”で音を下げない。

アクセントの変化

 日本語のアクセントは、二つ以上の言葉が重なったとき、変化する場合がある。
例えば、「赤とんぼ」という言葉は、頭高型の「赤」と、平板型の「トンボ」という言葉が組み合わせられてできている名詞だが、「赤とんぼ」は、中高型のアクセントを持つ。
また、同じ意味の言葉も、使い方によって、アクセントが異なる。
「晴れ」の「晴れ」は、「は(れ)」と、小高型のアクセントを持つ。しかし、「晴れるでしょう」の場合、「は(れ)る」と中高型であり、「今後は晴れてくるでしょう」という分における「晴れ」は、「(は)れ」という、頭高型のアクセントに変化する。

正しいアクセントの調べ方

 このように、日本語のアクセントは複雑なので、正しいアクセントが分からない場合が良くある。
こんな時は、「アクセント辞典」という便利な道具がある。
NHKが発行しているもので、書籍とスマートホンのアプリの2種類があるが、上記で説明した、言葉の使い方によるアクセントの変化についての用例は、付録に記載されており、その付録はアプリ版には存在しないという情報があるので、面倒でも書籍版を購入することをお勧めしたい。

音声解説

 音声による解説をお聞き頂けます。
ダウンロード

powered by HAIK 7.3.0
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional