先ずはここから始めよう!/コンセプトとキャッチコピーを考える
コンセプトとキャッチコピーを考える
番組製作のみならず、番組の広報活動をする際に重要な、「番組のコンセプト」と「キャッチコピー」の考え方について説明する。
本稿の目次
「コンセプト」とは?
本来、concept(コンセプト)を日本語に訳すと、「概念」や「観念」、「構想された物」である。しかし、ここでは、企画立案を行う多くの場面で使われる用語として説明する。
コンセプトとは、「全体を貫く基本的な概念」のことである。また、「基本的な思想」を表す場合に、この言葉が使われることがある。
例えば、番組のコンセプトは「安らぎ」といった使い方である。
コンセプトを明確にする利点
番組製作を始めるに当たって、コンセプトを明確にしておくことが大切だ。
上記の、「安らぎ」という番組のコンセプトを例に、この利点を解説する。
先ず始めに、コンセプトは、番組の構成を考えるに当たっての大きな手がかりになる。「安らぎ」というからには、聞き手に「安らぎ」の意味である「穏やかなゆったりとした気分」になってもらう必要がある。
これを実現する番組には、次の事項が必要と考えられる。
- ゆっくりと穏やかな話し方のできるパーソナリティーを起用する
- または、そのような話し方を心がけ、実践する
- 心が穏やかになるような話題を取り入れる
- 安らぎを演出するためのグッズを紹介するコーナーを設ける
- ゆったりとした店舗のBGMを利用する
- 穏やかな風景を連想させる効果音やジングルを利用する
このように、コンセプトを元に、番組に必要な事柄や内容を考案できる。
逆に、番組の中で行ってはいけない、いわば「禁止事項」などを洗い出すことも可能だ。例としては、「人を興奮させるような話題を取り扱わない
」や、「テンポが速くビートの効いたBGMを利用しない」などが有る。
次に、コンセプトは、広報活動の方向性も見いだしてくれる。
「安らぎ」をコンセプトにした番組の広報を行うには、Webサイトなどの媒体にも、「安らぎ」を取り入れるのが効果的だ。ページ全体に穏やかな気分を誘うようなデザインを取り入れたり、CMに落ち着いた音楽を利用するなどが考えられる。
また、広報の場を考える上でも、役に立つ。「安らぎ」をコンセプトにした番組のCMを他の番組で放送して貰うのなら、多くの人々が安らぎを得たいと思う時間帯(例えば就寝前の時間帯)を選択する。
紙媒体の場合は、チラシを置かせて貰う交渉をするのに、ほっと一息付けるようなお店を選ぶのもいいだろう。
キャッチコピーを考える
キャッチコピーとは、番組を宣伝する際に用いる釣り文句である。
対象者の心を引きつけるような言葉を取り入れて、そのチラシを読み進めて貰ったり、CMに耳を傾けて貰うための入り口である。
キャッチコピーには、番組の対象者が、この番組を聴くことによって得られる利点などの「ターゲットにとっての重要ポイント」を取り入れる。
それを目にしたり耳にしたりすることで、好奇心が刺激されると効果も高まるだろう。
「安らぎ」をコンセプトにした番組を例にするならば、
「ちょっと疲れたあなたに、安らぎをテーマにした情報を、穏やかなトークに載せてお届けします」
「お休みの前のひととき、安らぎをテーマにした情報と穏やかなトークであなたの明日をお手伝い」
これら二つの例は、「ちょっと疲れたあなた」や、「お休みの前のひととき」で対象者に呼びかけている。前者は直接的な表現だが、後者の「お休みの前のひととき」は、”これから寝ようとしている人”や”寝るときの寂しい部屋に音を流しておきたい人”を指し示しているつもりだ。
これらの人々に、「安らぎをテーマにした情報」が得られるという利点を訴求している。加えて、「明日をお手伝い」では、明日に向けて、ちょっと心の充電ができることを表したつもりだ。