ネットラジオマイクレビュー/Beyerdynamic TG V30D S(激安ボーカルマイク)
Beyerdynamic(ベイヤーダイナミック) TG V30D S(ボーカルマイク)
Beyerdynamic(ベイヤーダイナミック) TG V30D Sを、ネットラジオやPodcast用マイクとしてレビュー。
目次
Beyerdynamic(ベイヤーダイナミック) TG V30D Sの概要
ドイツの老舗音響機器メーカーであるBeyerdynamic(ベイヤーダイナミック)のマイクは、プロの現場ではよく使われており、著名なところでは、山下達郎氏が、同社のリボンマイクを使用していた時期がある。
しかし、アマチュアの宅録やライブ用とではあまり見かけない。
どこから派生したのかよく分からないのだが、視覚障害者向けに本を朗読して、録音するいわゆる「音訳」を自宅で行っている人の中で利用されているのをよく見かけることがある。
メーカーのウェブサイトに、
「ボーカル録音、アナウンスなどの用途において最初の1本に最適なダイナミックマイクロホンです。」
と、用途として”アナウンス”が明記されているのは、この価格帯のマイクにしては珍しい。
スペック
- 形式:ダイナミック
指向性:超単一指向性 - 周波数特性:30 - 15,000 Hz
- 感度:2.5 mV/Pa = -52 dBV
- スイッチ:有り
- 質量:315g
- 付属品:マイククランプ(MKV 108)、XLRマイクケーブル(4.5m)、専用ケース
視覚障害者視点で形や質感を説明
頭が丸いが、先端が平たい形状のマイクで、グリップ部はコネクターに近づくほど細くなっている、カラオケマイクの頭を平たくしたような形。
握り部分が細いが質量があるので、手に持つとそれなりに重い。
音声テスト
Beyerdynamic TG V30D S音声テストをどうぞ。
総評
高域は独特で、少々のざらつきを感じる。
低域に暖かみがあるが、前に出てくるような嫌らしさはあまり感じない。中域の明瞭度は高く、トークを録音するマイクの音質としては、申し分ない。
近接効果の影響もこの価格帯のマイクにしては大変小さい。
外来ノイズには強い。
ところが、ポップノイズを拾ってしまう上、歯擦音も気になるレベル。しかも、ショックマウントが弱く、ハンドリングノイズを盛大に拾う。特にショックマウントの弱さは、ネットラジオ用マイクとして致命的なレベルであり、看過できない。
従って、残念ではあるが、ネットラジオ用マイクとしては、あまりお勧めできないと言わざるを得ない。アナウンスを意識したならば、もう少しポップノイズ対策を考えた設計にして欲しかったところだ。
筆者の好み
デザインが良く、暖かな低域が気に入っている。
しかし、どういうときに使うのか?と問われると、すぐに答えが出ないかわいそうな代物。